飲食店や物販店舗での導入が増えるボタン式券売機。初期費用を抑えつつ操作が直感的で人手省力化にもつながる一方、メーカー・機種によって価格も機能も大きく異なります。
導入を検討する際の比較検討用ガイドとしてぜひ参考にしてください。

ボタン式券売機とは?
ボタン式券売機は、ボタンを押すだけで注文や支払いが完結するシンプルな券売機です。タッチパネル操作が苦手な年配層にも扱いやすく、導入コストを抑えられる点が特徴です。ここでは、タッチパネル式との違いや価格の目安について詳しく解説します。
タッチパネル式との違い
ボタン式券売機は、物理ボタンを押してメニューを選択するタイプの券売機です。タッチパネル式のように画面操作を行うのではなく、ボタンを押すだけで注文が完了するため、操作が直感的で年配の利用者にも扱いやすいのが特徴です。一方、タッチパネル式は画面上で自由にメニュー構成を変えられる柔軟性があり、ビジュアル重視の店舗や多メニュー店舗に適しています。
ボタン式はシンプルで壊れにくく、通信環境が不要で安定稼働できる点が強みです。反対に、デザイン変更やメニュー数の多い店舗では表示制限があるため、どちらを選ぶかは店舗の運用スタイルによって異なります。


ボタン式券売機の価格は?
ボタン式券売機の価格は、1台あたり約50万円〜100万円前後が一般的な相場です。ボタン数や対応決済機能によって価格が変動し、現金専用タイプであれば比較的安価に導入可能です。キャッシュレス対応や電子マネー連携機能を搭載したモデルは80万円以上になるケースもあります。中古機やリース・レンタルを活用すれば、導入コストをさらに抑えることができます。
また、補助金制度(IT導入補助金や省力化投資補助金など)を利用すれば、実質負担額を半分以下に抑えられる場合もあるため、導入前に制度の活用を検討することがおすすめです。価格だけでなく、サポート体制や耐久性も含めて比較することで、長期的に安心して運用できる機種を選定できます。

ボタン式券売機のメリット
ボタン式券売機は、シンプルな操作性と高い耐久性が魅力の券売機です。デジタル操作に不慣れな利用者にも優しく、設置コストも抑えられるため、飲食店や小規模店舗で根強い人気があります。ここでは代表的な5つのメリットを紹介します。
操作が直感的で高齢者や子どもにも使いやすい
ボタン式券売機は、ボタンを押すだけで注文できる直感的な操作性が最大の特徴です。高齢者や子ども、外国人観光客など、初めて利用する人でも迷わず操作できます。視覚的にも分かりやすく、商品名や写真を貼り付けることで、スムーズな購入をサポート。タッチパネル操作に抵抗を感じる層にも受け入れられやすいため、幅広い年齢層の顧客を想定する店舗に最適です。操作ミスが少なく、待ち時間を短縮できる点も店舗側にとって大きなメリットです。
故障リスクが低く、耐久性に優れている
ボタン式券売機は、構造がシンプルで故障が少ない点が特徴です。タッチパネル式と異なり液晶やセンサー部分が少ないため、経年劣化や操作トラブルが起きにくいのが利点です。ハードな利用が続く飲食店や屋外設置店舗でも安定して稼働し、長期間にわたって使用可能。特に、電気的トラブルや画面割れなどが発生しづらく、メンテナンスコストを抑えられる点が経営面での強みとなります。
メニュー変更が少ない店舗でも安定運用できる
ボタン式券売機は、固定メニューを扱う店舗にとって安定した長期運用が可能なシステムです。タッチパネル型のように頻繁なデータ更新や画面編集が不要なため、日々の管理負担を軽減できます。
特に、ラーメン店・うどん店・定食屋など、メニュー構成が固定されている業態には最適。設定がシンプルで、操作に慣れやすいことからスタッフ教育の時間も短縮できます。「一度設定したら長く使える」という安心感が、導入店舗から高く評価されています。
ネット接続が不要なため設置が簡単
ボタン式券売機は、インターネット接続やサーバー連携が不要で、電源さえあればすぐに稼働できる点が大きな魅力です。クラウド設定や通信設定が不要なため、設置工事や初期設定にかかる時間を大幅に短縮できます。
また、通信環境に左右されず、ネット障害が発生しても会計が止まる心配がありません。特に、イベント出店や仮設店舗など、一時的な設置にも柔軟に対応できるのが利点です。

導入コストが比較的安価で初期費用を抑えられる
ボタン式券売機は、初期費用を抑えながら導入できる低コストモデルが多いのが特徴です。タッチパネル型やキャッシュレス連携型と比較して、本体価格が安く、50万円前後から導入できる機種もあります。
また、リースや中古購入を利用すればさらにコストを削減可能です。操作システムが単純なため、保守・修理費用も安く済み、長期的に見てもランニングコストを抑えられます。コスト重視で省スペースな券売機を導入したい店舗に最適な選択肢といえるでしょう。

ボタン式券売機のデメリット
ボタン式券売機は、シンプルで扱いやすい反面、柔軟性やデータ管理機能の面で制約がある点にも注意が必要です。ここでは、導入前に理解しておくべき主なデメリットを5つに分けて解説します。
メニュー変更や価格修正に時間と手間がかかる
ボタン式券売機では、メニューや価格の変更を行う際に手作業が必要となるのが難点です。タッチパネル式のようにデジタル画面上で即座に修正できるわけではなく、ラベルの貼り替えや内部設定の変更を都度行う必要があります。
特に、季節限定メニューや価格改定を頻繁に行う店舗では、この作業が負担となることも少なくありません。また、ミスが発生しやすく、誤表示や操作混乱の原因になることもあります。メニュー変更が多い業態では非効率になりやすいため、事前に運用頻度を検討しておくことが重要です。
ボタン数に限りがあり、多メニュー店舗には不向き
ボタン式券売機は、物理ボタンの数が限られているため、メニュー数の多い店舗には不向きです。一般的に24〜40ボタン程度のモデルが多く、それ以上のメニューを扱う場合はページ切り替えや別機の設置が必要になります。
そのため、カフェや居酒屋など多品目メニューを展開する業態では運用が難しくなります。ボタンが増えると本体サイズも大きくなり、設置スペースにも制約が生じます。メニュー構成が固定された店舗向けの機種である点を理解して選定することが大切です。
デジタル連携(POS・キャッシュレス)に対応しにくい
ボタン式券売機は構造がシンプルな反面、POSレジやキャッシュレス決済システムとの連携が難しい場合があります。特に、古い機種では電子マネーやQR決済への対応ができず、追加機器を導入しないとキャッシュレス化が実現できません。
また、クラウド連携や売上データの自動同期にも非対応なケースが多く、デジタル化を進めたい店舗には不向きです。今後の業務効率化やデータ分析を重視する場合は、タッチパネル型やハイブリッド型の券売機の導入検討も必要となります。
デザインや配置が固定されやすく柔軟性に欠ける
ボタン式券売機は、物理的に配置が固定されるため、デザイン変更や配置換えが難しい点がデメリットです。ボタン位置を入れ替える際には内部配線の調整やパネル再制作が必要になり、手間とコストがかかります。
メニューの見せ方や配置を季節やキャンペーンに合わせて変えたい場合にも柔軟に対応できません。そのため、商品ラインナップが頻繁に変わる店舗では運用が煩雑になる可能性があります。ビジュアル訴求や柔軟なメニュー運用を重視する業態には不向きといえます。
売上データの自動集計が難しく分析機能が乏しい
ボタン式券売機は、売上データを自動的にクラウドへ送信・集計する機能が乏しい点が課題です。多くのモデルでは、日次・月次売上を手動で集計する必要があり、POSレジや会計ソフトとの連携も制限されています。
データを活用して販売傾向を分析したい店舗にとっては非効率となる可能性が高いです。また、複数店舗の売上を一元管理する機能も備えていないケースが多く、データドリブンな経営には不向きです。売上管理を重視する場合は、集計機能付きモデルやPOS連携タイプを検討することが望ましいでしょう。
ボタン式券売機の選び方
ボタン式券売機を導入する際は、店舗のメニュー数や設置環境、運用方法に合わせて最適なモデルを選ぶことが重要です。価格だけで判断せず、機能性やサポート体制を含めて比較検討することで、長期的に安定した運用が可能になります。
取扱商品数に合わせたボタン数やレイアウトを確認する
ボタン式券売機を選ぶ際は、メニュー数に見合ったボタン数や配置レイアウトを確認することが基本です。少ないメニューなら20~30ボタンタイプで十分ですが、多品目を扱う店舗では40ボタン以上の大型モデルが必要になります。
また、人気商品を上部や中央に配置するなど、操作性を考慮した設計もポイントです。設置後のメニュー変更を考慮し、レイアウト変更がしやすい構造かどうかも確認しておきましょう。
硬貨・紙幣・ICカードなど対応決済方法をチェックする
ボタン式券売機の中には、現金専用タイプとキャッシュレス対応モデルがあります。現金決済が中心の店舗では硬貨・紙幣対応モデルで十分ですが、近年はICカード・QRコード・電子マネー対応モデルの需要が増えています。
非接触決済に対応することで、支払いスピードの向上や顧客満足度アップにもつながります。導入後の決済環境を想定し、自店舗の顧客層や利用シーンに合った決済方式を選定することが大切です。
メーカーのサポート体制や修理対応の速さを重視する
券売機は日々の営業で使うため、トラブル発生時の対応スピードが重要です。導入前にメーカーや販売代理店のサポート体制を確認し、保守契約の内容や修理対応の有無を把握しておきましょう。
特に、土日祝日や営業時間外の対応可否は大きな選定ポイントです。さらに、代替機の貸出やリモート対応が可能なメーカーであれば、トラブル時も営業を止めずに対応できる安心感があります。
耐久性・防水性・清掃のしやすさなど運用面を比較する
ボタン式券売機は店舗の環境によって汚れや湿気の影響を受けやすいため、耐久性・防水性・清掃性の高さも比較ポイントです。
飲食店や屋外設置店舗では、防滴仕様や防塵設計が望ましいです。また、ボタン周りに汚れが溜まりにくい構造や、清掃時に部品が取り外しやすい設計だとメンテナンスが容易になります。長く使うためには、構造の頑丈さとメンテナンス性を重視することが重要です。
設置場所のスペースや電源環境に適合しているか確認する
導入前には、設置場所のスペースや電源環境が機種に適合しているかを必ず確認しましょう。ボタン式券売機はサイズや重量が機種によって異なり、設置スペースが狭い店舗ではコンパクトタイプが適しています。
また、電源容量やコンセント位置も重要で、延長コードや工事が必要になるケースもあります。さらに、搬入経路や扉の幅なども事前に確認し、設置後にトラブルが発生しないよう準備することが大切です。
ボタン式券売機おすすめ8選
ボタン式券売機は、操作のしやすさ・耐久性・低コスト性を兼ね備えた定番モデルとして、多くの飲食店や小規模店舗で導入されています。ここでは、信頼性と機能性の両面からおすすめの8機種を厳選して紹介します。
KB-172NNS|芝浦自販機株式会社

芝浦自販機の「KB-172NNS」は、シンプルな操作性と高い耐久性を両立した定番モデルです。現金対応を基本に設計されており、停電時の再起動や紙詰まりなどのトラブルにも強い設計。
省スペース設計ながら、40ボタン以上のメニュー構成にも対応できます。さらに、清掃・メンテナンスのしやすさや長期運用にも耐えうる堅牢な筐体が特徴です。飲食店・温浴施設・社食など安定稼働を求める店舗に最適な機種といえます。
BT-L250|NECマグナスコミュニケーションズ株式会社

「BT-L250」は、NECマグナスの技術を活かした省エネ設計と静音性に優れたボタン式券売機です。小型ながら豊富なボタン数を確保し、視認性に優れたLEDバックライトを採用。販売ボタンはモジュール構成で、メニュー変更時にも柔軟に対応できます。
また、セキュリティ性能にも優れ、不正紙幣防止機能や売上金管理の簡略化も可能。高性能ながら設置しやすいコンパクトモデルとして、小規模飲食店に人気です。
FK-ADⅡ|株式会社Fujitaka

株式会社Fujitakaの「FK-ADⅡ」は、見やすいボタン配置と高い信頼性で評価の高いシリーズです。多彩な券売機ラインナップの中でも、特に中小規模店舗向けに設計されており、ボタン配列や金銭処理スピードに優れています。
オプションでICカードや電子マネー決済にも対応可能で、将来的なキャッシュレス化にも柔軟に対応。拡張性とコストバランスの良さが魅力で、長期利用を前提とした店舗におすすめの機種です。
BT-e212/211|NECマグナスコミュニケーションズ株式会社

「BT-e212/211」は、NECマグナスのボタン式シリーズの中でも操作性・耐久性・デザイン性を兼ね備えた上位モデルです。
大型のボタン配置により視認性が高く、複数言語表示にも対応しているため観光地やインバウンド店舗にも最適。内部構造はメンテナンスしやすく、紙幣リサイクルユニットの採用により釣銭補充の手間を削減します。店舗規模を問わず幅広く対応できる万能タイプのボタン式券売機です。
VT-B20|グローリー株式会社

グローリーの「VT-B20」は、信頼性・操作性・堅牢性に優れた業務用ボタン式券売機の代表格です。金融機器メーカーならではの正確な釣銭管理と紙幣識別性能を備え、誤作動の少なさが特徴です。
また、オプションでキャッシュレス対応やPOS連携も可能。長時間稼働にも耐えうる設計で、大型店舗や繁忙店でも安定した運用ができる点が強みです。定番ブランドの安心感を求める店舗に最適です。
Operal VMT-120|マミヤ・オーピー株式会社

マミヤ・オーピーの「Operal VMT-120」は、スタイリッシュな外観と安定した紙幣・硬貨処理性能が特徴のボタン式券売機です。明るいLEDボタン表示と見やすいパネル構成により、利用者が直感的に操作可能。
機器内部は清掃・点検がしやすい設計で、保守性にも優れています。さらに、電子マネー対応オプションも用意されており、現金主体からキャッシュレス移行を検討する店舗にも適したモデルです。
G-2STV-P(SWITCH)|株式会社パルサー
株式会社パルサーの「G-2STV-P(SWITCH)」は、ボタン操作の確実性とデータ管理機能を両立したハイブリッド型券売機です。物理ボタンを採用しながらも、販売データの電子集計が可能で、POSレジや管理システムとの連携も容易。
設置環境に合わせて卓上型・床置型の選択も可能です。コンパクトながら安定した釣銭管理性能を備え、中小規模店舗の省力化・効率化に最適なモデルとして高い評価を得ています。
ボタン式券売機導入で利用できる補助金
ボタン式券売機の導入には、中小企業や個人事業主を対象とした各種補助金・助成金を活用することで、初期費用を大幅に抑えることが可能です。ここでは、導入時に利用できる代表的な5つの支援制度を紹介します。
IT導入補助金

IT導入補助金は、デジタル化やキャッシュレス対応を推進する中小企業向けの補助制度です。券売機やPOSレジなどのITツールを導入する際に活用でき、補助率は最大3/4、上限350万円(申請枠による)となっています。
ボタン式券売機でも、キャッシュレス決済やクラウド連携機能を備えたモデルなら対象となるケースがあります。導入前には、登録済みの「IT導入支援事業者」に依頼して見積・申請を行うことが必要です。デジタル化と業務効率化を同時に進めたい店舗に最適な制度です。
小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、販路開拓や業務改善を目的とする小規模事業者向けの支援制度です。券売機導入による店舗オペレーションの効率化や非対面販売の促進も補助対象となります。
補助上限は50万円(特定枠で最大200万円)で、補助率は2/3が一般的です。申請には商工会議所または商工会の支援が必要で、事業計画書の作成も求められます。低コストで店舗改善を図りたい小規模飲食店やサービス業におすすめです。
中小企業省力化投資補助金
中小企業省力化投資補助金は、人手不足対策や業務の自動化を目的とした新制度です。自動券売機やセルフレジ、釣銭機など「省人化装置」を導入する場合に活用でき、補助率は1/2〜2/3、上限1,000万円と高額です。
ボタン式券売機も「自動化・無人化による業務効率化」を目的とした導入であれば対象となる可能性があります。人件費削減や店舗運営の効率化を目指す中小企業に最適な補助金です。
業務改善助成金

業務改善助成金は、従業員の賃上げと生産性向上を同時に支援する厚生労働省の制度です。券売機の導入によりレジ業務や会計作業が効率化し、従業員の労働環境改善につながる場合に活用可能です。
助成率は最大3/4、上限は600万円(助成コースによる)で、対象経費には機器導入費・設置費が含まれます。店舗の省力化と人材定着を両立したい事業者に有効な制度です。
ものづくり補助金

ものづくり補助金は、新製品・新サービスの開発や業務改善投資を支援する中小企業向け補助制度です。自動化や効率化を目的とした設備投資として、券売機の導入も対象となるケースがあります。
補助率は中小企業で1/2、小規模企業では2/3、補助上限は750万円〜1,250万円と高額です。特に、新しい販売システムや無人化オペレーションの導入を進める店舗には最適。革新的な店舗運営を目指す事業者におすすめの補助金です。
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